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オリジナルフレームの件で

昨年の夏頃から密やかにスタートしておりましたオリジナルフレームプロジェクト。
SNS上では小出しに共有しておりましたが改めましてそれにまつわるアレコレを現況報告も兼ねて書いていきたいと思います。

スタートこそ昨年の7月からではありますが、この計画というより妄想はかねてより頭の中にあり続けました。5年間charifuriでブリヂストンサイクルと共同開発したHELMZを専門として販売してきた傍(現在はbirdyと2車種で幅も広がりましたが)一車種でできること、もちろんできないことが出てきます。

とても良いバイクですし愛着もあるのでなるべく可とできるように試行錯誤はしてきましたが、場合によっては工夫だけではどうすることもできないケースが度々ありました。それが提案する側としては非常に歯がゆく感じていたところも今回の動機としては大きいかもしれません。

それならばもう、自分たちでも作ればいいじゃないかという考えに至るのに時間はかかりませんでしたが、言うは易し。いざ計画として立ち上げるには時間がかかってしまいました。

5年の節目を経て、スタッフ間で話しながらあーしたいーこーしたいと膨らみに膨らんだ妄想。
これをまずは自らの手で形にしたいということから門を叩いたのはその希望を叶えてくれる都内でも稀な場所、BYOB FACTORYさん。

ここはフレームビルダーの方に指導やアドバイスをいただきながら自分で自転車のフレームを一から制作できるという貴重な場所です。
もちろん、ビルダーの方にオーダーした方が早く精度の高いものが手に入りますが、今回は後学のためにも自分の手で作りたいということが目的としてありました。(もちろん、自転車乗りとしての個人的な興味も大きいですが)

 

夏真っ盛りな7月に取り掛かったもので、溶接の際に火を扱うことも相まってまあ熱い。頼りは業務用扇風機と外から入ってくる風のみです。

切ったり、曲げたり、くっつけたり
全ての作業にもれなく緊張します。そして何度も失敗しました。総じて簡単な作業などありませんし、精度を出すために費やす時間はとめどないです。
やってみてわかったことを一言でまとめれば、フレームビルダーは偉大だということ。知ってはいましたが本当に。改めてそう思います。

汗だくになりながら、火とにらめっこする日々も週一ペースで通いながら3ヶ月が経過し、ようやくその頭の中の妄想を外に出すことができました。
何もかもBYOB FACTORY高井さんのおかげです。ご協力いただきまして誠にありがとうございました。

いよいよもって形になった私たちの妄想、のサンプル。
このフレームの特徴を改めてご紹介させてください。

今までやりたくてもできなかった事。提案したくてもできなかった事。頭の中に湧き出たアイディアを形にできる事。それらが叶えられるフレームを目指しました。

フロントダブル、リアは11速?フロントはシングルでリアは多段?なんならシングルで固定ギア?ベルトドライブで変速させることだってできる。
ディスクブレーキに対応し、雨の日だって安心。
細いタイヤで軽快にスピードを出すのか、太いタイヤでオフロードを冒険するのか。
キャリアは?泥除けは?

どうぞご自由に。そう言えるフレームです。

CX ver.

Fixed ver.
Belt drive x 内装変速11s ver.
自転車の性能というものはコンポーネントまたはタイヤの選択肢によって決まると言っても過言ではないでしょう。
その選択肢の幅を最大限広げるために考えたフレームの形は余裕のあるタイヤクリアランスに加え、エレベーテッドチェーンステーと呼ばれる90年代にMTB界で一世を風靡した構造をドライブ側のみに採用した少し変わった形状。

本来は振動により暴れるチェーンがチェンステーに接触すること防ぐために考えられた構造らしいですが、このフレームの場合はそれよりもチェーンがフレームを跨がないというところに着目しました。
つまりはシングルギアならチェーンを切らずに取り外す事ができるのです。

メンテナンス性の向上もそうですが、何よりチェーンを切らずに脱着が可能という事は分割構造なしにベルトドライブを使用する事ができるということでもあります。
(HELMZのベルトドライブ採用モデルもチェーンステー/シートステーの交差する箇所は分割構造となっており少し複雑な形となっています。)

さらにスライド式のエンド構造によりチェーンテンションの調整も可能なので多段からシングルまで。チェーンだけでなくベルトドライブというニッチな選択も可能となったのです。
エンド幅も135mmとし、昨今では700Cでの選択肢も増えてきました。手組みまで視野に入れればホイールの選択肢も多岐にわたります。

フォークの肩デザインも拘り、これはBYOB高井さんのアイディアをいただいたものですが、二枚肩でさらに独自の形状の先端はディスクブレーキホースを咥える形状になっているためタイラップ等で留める必要もありません。

クロモリのホリゾンタル形状、ヘッドはオーバーサイズというオーセンティックな見た目は大事にしつつ、エレベーテッドチェーンステー&スライドエンドという強い個性と汎用性を持ったフレームとなりました。

自由度のとても高いフレームになる予定ですので、オーナーそれぞれがまるでプラモデル感覚で好きに組んでカスタマイズできるようなフレームを目指しています。

現在までイベントがあるごとにそれ用のカスタムを施し試走を重ねてきましたが手前味噌ながら懸念していたパワーの逃げやトラブルもなくしっかりと走ってくれています。
毎日通勤でも乗っており単純計算で5000km程走っていますが、非常に快適です。
ちなみに、1時間ほどかかっていた通勤路で5分 - 10分ほど通勤時間が短縮しましたというのは個人の感想というやつですが少し驚いています。

まずは妄想が無事に形となり一安心ではありますが、当然ゴールはまだまだ先です。
このフレームを欲しいと思ってくれる人たちに届けるために安全基準をクリアしながら、工場で生産していかなければなりません。

幸いタイミングと繋がりに恵まれ、生産工場も決定し現在に至ります。
来春発売というおおまかな目標を掲げ、現在、強力な助っ人に協力していただきながらファーストサンプルに向け目下設計作業中です。
今回ご紹介したサンプルをベースにさらにブラッシュアップをしていく予定ですので進展にご期待ください。

また進捗あればこことSNSでご報告させていただきます。
どうぞお楽しみに!